賛否両論?ドラクエの映画の感想。
8/7
今日は仕事が休みだったので、昔からリアルタイムでドラクエをプレイしていた父と、映画ドラクエを見るために最近ドラクエ5DS版を始めた弟と一緒に、「例のアレ」を見に行きました。
映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』
もともと、賛否両論がある(より正確には、批判の声を聞くことが多い)と知った上で鑑賞したので、忘れないように自分が見た「映画ドラクエ」をメモしたいと思います。
注意:以下よりネタバレ含みます。映画を観る予定の人、ネタバレ嫌いの人は画面をそっと閉じてください。
あくまで筆者の主観であり、みんなも見たほうがいい・この映画は観る価値がないとかを主張をするものではありません。
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【良かったところ】
原作を知っている人には嬉しい演出
映画のスタートがまさかのSFC版のドラクエ5画面からのスタート。なんだか懐かしい気持ちになって、プレイした当時のことをなんとなく思い出しながら、ワクワクしてスタートしていく。この演出はなかなか粋だと思いましたね。
そこから船旅を終え、ベビーパンサー(ゲレゲレ、ちなみに筆者はなぜかプレイするたびに「リンクス」を選択しています)を助けるべくビアンカとお化け退治に出かけます。
ここまでファミコンの演出です。
そこから妖精のベラとかのくだりをすっ飛ばして、(なぜか雪国となっている)サンタローズから3DCGでの演出が始まります。
ゲレゲレと遊んでいるリュカの元に、知らないお兄さんが「すごいオーブを持っているね。見せてくれない?」と声をかけてくるのも粋ですね。こんなシーンもあったなあとしみじみとした気持ちになります。
鳥肌もんのドラクエの音楽
物語の最中、割と高頻度でドラクエのBGMが流れます。プレイの最中に聞いたまさに「これこれ〜!」となるものから、(自分は後から気づきましたが)ドラクエ5以外のナンバリングからのBGMも流れていました。個人的にはいろんなBGMが聞くことができて嬉しかったです。すぎやまこういち氏、いつもありがとうございます。
3DCGによる美しい世界観・グラフィック
例えば雪に覆われたサンタローズや、後になって登場する妖精の村など、とても素敵な景色が広がっていました。映画ならではの迫力と演出でした。
同じくらい、バトルシーンも楽しむことができました。一番登場していたのはダントツでメラゾーマでした。
豪華声優陣、違和感なし
映画鑑賞前の予備情報で、リュカが佐藤健とか、ビアンカが有村架純でフローラが波瑠で、「おいおいケンドーコバヤシ出てるじゃんww」とか、山寺宏一まで出てる、豪華すぎるなんて感想を持っていました。正直不安ではありました。
ですが、劇中では(そこまで)気になる事もなく、世界観に入り込むのに大きな障害にはなりませんでした。
ポケモン映画のゲスト出演で登場する芸能人とか、たまにめっちゃ下手ですもんね(笑)。そこまで酷くなかったです。
ちなみに、賛否両論ある事を知らない父親に感想を聞いてみたら、「悪くなかった」とのこと。特に息子が勇者の剣を抜くシーンは鳥肌が立ったそうです。
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【良くなかったところ】
(と大げさに書いてありますが、単に気になったな〜というレベルの話です)
パパスがすぐに死ぬ
今作の映画は、実際のドラクエ5と同じく「少年期」「青年時代前半(奴隷~結婚)」「青年時代後半(石化復活~ラスボス)」の3つに分けられます。
その中でも、少年時代のスピードが速すぎるという感想です。
(後につながる伏線となっているのですが、見てる最中にはこう思わざるを得ませんでした)
その結果、自慢の父パパスとの旅をしている時間も少なくなり、結果的に「パパスすぐ殺された」という感想になりました。実際のゲームプレイ中は涙無くしてはプレーできないシーンですが、なんだか感情が高ぶることなく、主人公は奴隷になってしまいました。
親友だと思ってたヘンリー王子
主人公と同じく奴隷として10年間、苦しい環境に身を置かれることとなるラインハット王国の王子、ヘンリー。
少しだけ主人公よりお兄さんであるヘンリーは、少年期に出会った時に「お前を余の子分にしてやろう」と、ヘンリーと主人公の間に「王子様と一般市民」の構図がありました。
それが、脱獄する10年立っても、主人公はヘンリーに対して敬語なのです。もしかしたら描かれていないだけで原作もそうなのかもしれません。でも自分としては、ヘンリーは10年間も困難を共にした「親友」なのだと思っていました。お互いに馬鹿なことを言い合ったり、時に熱く語り合う関係なんだと、僕は思っていました。
現代チックな、なんとも冴えない主人公
主人公といえば、悪の魔王を倒す宿命を背負った「勇者」です。ドラクエ5に関しては「勇者の父」というのが正確ですが、世界を救うという点では同じでしょう。
そんな主人公、リュカが、なんとも冴えません。
サラボナにいるルドマンが「ブオーンを倒してくれ」と言っても、「自分には無理だ。荷が重い」などと言ってしまう。
旅に出かけても、メタルスライムに「ミス!」を連発していたり、キングスライムに踏みつけられたりと、「妙にダサい」という印象がぬぐいきれません。
これにも実は理由があるのですが、主人公は立派に雄弁に「俺がこいつを倒す!」と言ってほしいものです。
いや、今回に関してはフローラ一択では?
自分はドラクエ5をプレイするたびにビアンカを選んでしまいます。フローラと結婚した方がお得なのはわかっているのに、小さい頃の思い出補正が働いてビアンカを選んでしまいます。
この「ビアンカ・フローラ論争」はこれからも決着がつくことはないでしょう。
ただ、今回の映画に関しては「フローラじゃね、、?」と思ってしまいました。
小さい頃船旅で一瞬だけ出会ったフローラ。彼女が立派な女性になって再会した時のことです。小さい頃と同じく、顔を赤らめて、再会できたことを喜び、リュカと結婚する事もやぶさかではない反応をします。
また、主人公もフローラと結婚できることにウキウキしており、ブオーン討伐を達成してから、フローラに結婚を申し込みます。
酒豪になってしまったビアンカとは違い、なんともお似合いな2人。ビアンカ派の自分でも今回はフローラを選ぼうと思いました。
ゲマに対する憎しみ、そこまで大きくならず
父パパスの仇であるゲマ。ドラクエ史上もっとも憎い敵と言っても過言ではありません。そんなゲマですが、なんだかゲームをプレイしていた時の「ゲマあああ!ぶっ倒してやる!」という気持ちまでなりませんでした。
映画では少年期時代が短かったので、パパスと過ごした時間も短かったので「パパスの仇!」となりきるに至らなかったのだと思います。
あとなんか見た目気持ち悪かったし。
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まとめ
自分はドラクエ5をSFCでリアルタイムでプレイしていた側の人間ではありません。PS2が最初のプレイで、その後DS版を2~3回経て、SFCも「ひとしこのみ」やりたくてプレイした運びです。
本来のターゲットである「ファミコンでプレイした世代」の人との感想は違うかもしれません。最後の「例のシーン」も、ITだったり制作側のことにも理解があるという点ではまだ正気を保っている事もできました。
「一体、誰がターゲットだったのだろう」
「なぜこれでゴーサインを出したのだろう」
と疑問は尽きませんが、言われてみれば「ドラゴンクエスト5 天空の花嫁」ではなく今回は「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」です。
今回な今回で、なるほどという形です。別に悪いとは思いません。
まあその上で、できるなら今度は、今回のレベルの3DCGで、「ドラゴンクエスト5 天空の花嫁」並びに他のナンバリングを体験してみたいです。
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夏休み中にドラクエ5プレイしよっと。